アパートやマンションなどで窓のない暗い玄関に不満を持つ人は多いのではないでしょうか。とはいえ、あとから窓を作るわけにもいかないし、今さら広くもできないし…とあきらめていませんか?実は、暗く狭い玄関をさまざまな工夫によって、開放的で明るい印象の玄関に変身させることは可能なんです。ここでは、狭くて暗い玄関に広がりを持たせつつ明るく見せる方法をご紹介します。
壁や三和土(たたき)の色を変えて空間を広く見せる!
狭い玄関を室内側から見た時に、意外と目に付くのがたたき(三和土)の色。経年による汚れが目立ったり、暗いレンガ色のタイルだったり、古い賃貸などはコンクリートがむき出しなんてこともあるようです。
三和土の暗さが目立つなら、上から敷くだけで雰囲気をガラリと変えられるクッションフロアがおすすめです。クッションフロア*はシート状になっており、カッターで切ることができるので、DIY初心者にも扱いやすいのが特長です。ロール状のものか、タイル状(Pタイル)のものがあり、女性でも持ち運びにこと欠きません。
*塩化ビニール製の床材のこと
フローリング風やタイル風など、たくさんの種類が魅力のクッションフロアですが、選ぶときには注意が必要です。それは空間を「明るく見せる」ためには、効果的なホワイト~オフホワイトなど、「膨張色」をベースカラーに選ぶことです。明るい白系ベースを主体にアクセントカラーや模様などで、好みのインテリアテイストに近づけるようセレクトすれば間違いありません。ちなみに、アクセントになるカラーは暖色を選べば進出して見え、寒色では後退して見えることから、さらにベースのホワイトを大きく見せてくれます。
色彩の心理学:http://color-psychology.jp/kouka_look.html
クッションフロアのリノベは短時間で効果的!DIY初心者が切り出しや模様合わせに時間をかけても半日で終わる作業です。三和土が白っぽくなるだけで、玄関全体の明度は格段に向上します。これで暗い玄関に明るさとクリーンな印象を与えられるはずです。
視覚のトリック効果!鏡や観葉植物で狭さを感じさせない工夫を
三和土をクッションフロアでリノベしただけでも、ずいぶんと明るさと広がりを感じる玄関になりますが、さらに「視覚のトリック」を流用すれば、見違えるほどスタイリッシュで開放的な玄関になります。人間の脳に広いと錯覚させる、または狭さを感じにくくするというテクニックです。視覚効果に有効なアイテムをご紹介します。
・観葉植物
・鏡
では、これらがそれぞれどのような効果をもたらすのか解説していきます。
絵画やウォールステッカーなどのアート作品
玄関に入ってすぐ目に付く場所に、アート作品やウォールステッカーがあった場合、人の目線は自然とその場所にいきます。一点目立つポイント(またはサブポイントオブジェクト)を作ることにより、玄関の狭さよりアート作品の印象を強くしてしまうのです。これはポスターや絵画・画像の構図を考えるときの技法、リーディングラインやフォーカルポイントなどを応用したテクニックになります。
たくさん飾るのはNGです。目線があちこちに動いて、かえって玄関の狭さを強調しかねません。ポイントを1点に絞りましょう。できれば視線が自然とその場所に行くように、入って正面に飾るのがベストです。
ウォールステッカー
観葉植物
観葉植物は空気の浄化や癒しの空間を作ることに一役買いますが、それだけでなく、背の高い種類を選ぶことによって天井を高く見せる効果があるのです。とはいえ、狭い玄関で幅をとるものは邪魔ですから、縦方向にすっと伸びる形のもので、日陰に強い種類を選ぶといいでしょう。日陰でも育ち、あまり大きく広がらない観葉植物は、以下が挙げられます。
・オキシカルジューム
・アスプレニウム
・テーブルヤシ
・ケンチャヤシ
・モンステラ
支柱を入れてタワー仕立てにするなら、ポトスなど半つる性の植物でもいいでしょう。玄関の雰囲気や植物の特性をよく考えてお気に入りの観葉植物を探してみてください。鉢カバーなどにこだわって飾ると、それだけで玄関インテリアの主役になります。
耐陰性が高い観葉植物→参考サイト① 参考サイト②
日陰で育つ観葉植物→参考サイト③
鏡(すがたみ)
玄関に鏡があるとお出かけ前の全身チェックにも便利ですよね。鏡を置く利点はそれだけでも十分あるのですが、そのほかにも空間を広く見せる効果があります。(壁面、あるいは奥に続く空間や床面などを映り込ませる) 逆に、入ってすぐの正面(人が映り込む位置)に鏡を置くのはオススメできません。また動きのあるものやごちゃごちゃしたものが映り込むと、玄関そのものが雑多な印象になります。しかも帰宅時に毎回人影が目に入ると、いくら自分のものとはいえ、いい気分ではありませんよね。
また、照明の光が鏡に映りこむようにするのも、空間に奥行きが生まれ、非常に効果的であるといわれています。
空間の広がりと明るさを演出!ライティングを導入しよう
玄関が暗い原因の多くは、窓がないために外の明るさが取り入れられないことにあります。玄関ドアを採光型のものに取り換えるのも一つの方法ですが、それには多額の費用が掛かりますよね。そこで比較的安価で、しかも簡単に明るくできるライティングを上手に取り入れてみましょう。直接強い光が目に入らないよう「間接照明」にするのがおすすめです。
上がり框のフロアライト・シューズボックスの上のインテリアライトでも、壁をうまく活用して、採光を反射してやれば、「間接照明」としての役目を果たしてくれます。またシューズボックスと三和土の間に隙間があるなら、テープタイプのLEDライトをシューズボックスの底板側に貼れば、まるでホテルのエントランスのような雰囲気が作れます。
人感センサー付きのライトもあるので、つけっぱなしではもったいないという人は探してみましょう。タイマー機能がついているものも便利です。(ホームセンターで売られているタイマーコンセントなら1,500円ぐらいで手に入ります)
LEDの照明は購入時には割高に感じますが、例えば1.5mのテープタイプのLEDライトは24時間点灯していても1か月の電気代は79円ほど(5wで計算しています)。オンやオフを忘れがちな場所ですから、なるべくLED 照明を選んでおきましょう。
コンセントがないなどの理由から照明を置くのが難しければ、キャンドル型の照明を2~3個まとめて置けばある程度の明るさを確保することができます。本物のキャンドルさながらに、光がゆらゆら揺れるタイプもありますので、玄関に明るさと温かみを添えることができそうです。電池タイプのLEDキャンドルならコンセントの位置も気にせず設置できます。
「間接照明」は空間に奥行きを感じさせ、狭い場所を広く見せる効果があります。帰宅時にも鍵を開けてすぐ玄関がほんのり明るいと安心しますよね。玄関の雰囲気を変えるのに手軽で効果の大きい方法といえるでしょう。
まとめ
賃貸やマンションなどでは狭くて暗い玄関に悩む人が多いものです。大がかりなリフォームはお金も時間もかかるけれど、明日にでもできるちょっとした工夫で、玄関はより広く明るくなります。玄関の狭さと暗さにお悩みの方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
written by piko.
参考URL
http://www.katasumi-diy.com/entry/2017/06/08/174829
https://suvaco.jp/doc/entrance-howto-stylish-small
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