介護ベッドのマットレスはどう選ぶ?知ってて損はない注意点と選び方

介護ベッド

介護に適したマットレスは、一般的なマットレスとは違うのでしょうか。

初めて介護に臨む人、介護を見据えたマットレスに買い替えたい人など、初めての経験で疑問は尽きないものです。

そこで介護マットレスを選ぶ際の注意点と、上手な選び方をわかりやすく解説していきます。

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介護用マットレスを選ぶ際の注意点4つ

まず介護度合にかかわらず介護する際のマットレス選びに共通した注意点があります。介護マットレスを選ぶ時は介護される側だけでなく、介護者の負担軽減も重要な課題です。

注意点1:電動ベッドでも使えるタイプを選んでおく

介護用ベッド(電動ベッド)で使うマットレスは、介護用ベッドの動きに合わせて曲がるものが必要となります。

最近の介護用ベッドは背中が起こせるだけでなく、膝の裏の部分が持ち上がって座り姿勢を安定させるものもあります。フラットの状態にしかならない厚く硬いコイルマットレスは、介護用ベッドのフレキシブルな動きに対応できません。

しかも干したり通気性を確保したりする際にも、重くて扱いが大変なので介護者の負担にもなります。

介護用電動ベッドの種類
1モーター、2モーター(1+1)、3モーターなどさまざま。必要度・介護度によって選定する必要があります。
HP:医療・介護ベッド安全普及協議会

 

今現在は普通のベッドでも、「いずれ介護用ベッドを導入する」「買い替え時期が来ている」などの場合は、介護用ベッドでも使えるタイプのマットレスも視野に入れておきましょう。

また3折り・6折りなど折れ曲がるタイプのマットレスは収納に便利ですが、電動リクライニング時の快適性が劣ってしまうため、リクライニングの動きに沿ってしなやかに曲がらないケースがあることを覚えておきましょう。

介護イラスト

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注意点2:マットレスの厚みに注意

高齢者が寝姿勢から、いったんベッドに腰掛けて、安全に立ち上がるには足の裏全体がしっかり床についていることが大切です。

マットレスが厚すぎるとベッドが高くなるため、つま先の不安定な状態で立ち上がることになってしまい転倒の危険を伴います。

また介護用ベッドの場合はベッドガードや手すりを取り付けているケースがありますが、手すりと座面が近くなるほど立ち上がりにくくなります。

一般的にマットレスの表面から22㎝の高さに手すりの上辺が来ると腕の力を入れやすいといわれています。

介護イラスト

介護負担が大きくならないためにも、高齢者本人にしっかり力を入れて立ち上がってもらうことが大切ですから、介護を想定したマットレスは厚さ8㎝~9㎝程度のものを選びましょう。

高さが変えられるベッドもあります。
PR介護用ベッド:パラマウントベッド

注意点3:通気性重視か?防水性重視?

マットレスを選ぶ際には、被介護者のトイレ事情も重要です。

トイレの自立ができている場合は通気性を重視したマットレスの方が蒸れにくく快適に過ごせますが、時々失禁(おもらし)するので、おむつを使用している場合は、アルコールなどでさっと拭ける防水仕様の清拭タイプのほうが清潔に気持ちよく過ごしてもらえます。

蒸れが気になる場合は、シーツやパッドなど、気軽に洗濯できるアイテムを重ね使いするなどの工夫をしてみましょう。介護者の負担も軽くなります。

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注意点4:介護度合いによって変わる優先順位

マットレスを選ぶ時は何を優先させたいのかを考えて、選択するのもひとつの方法です。注目すべきはこの3点です。

・寝心地(寝返りの打ちやすさ)
立ち上がりやすさ
床ずれ防止

寝心地とは柔らかさだけでなく、適度な反発力(硬さ)によっても左右されます。

人は寝返りを打つことで布団内部の温度調節や、血液循環の促進などを行っています。その際にマットレスが柔らかすぎると反発力が得られず寝返りが打ちにくくなります。

マットレスを選ぶ前に、どんなことを優先させるのかをはっきりさせておくことで、あれこれ迷わずに最適なマットレスを選ぶことができます。詳しくは2項で詳しく解説しています。

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介護度によるマットレスの選び方

重い疾病もなく、要介護レベルが低めの人

比較的元気な人や軽介護の人は今の状態を維持して「生活の質」を落とさないことが大前提です。

マットレスが寝姿勢に合っていないと、体がこったり、血流の悪さを招いたりして、結果身体機能の衰えにつながることも考えられます。

体重が重い人にはあまり沈み込む過ぎない硬めのマットレスがおすすめです。面で沈むボンネルコイルマットレスが適しています。

体重の軽い人には柔らかめの寝心地で、局所的に沈むポケットコイルマットレスが好まれる傾向があります。

マットレス構造の種類

体重が軽いといっても腰痛がある場合は、点で支える寝心地を実現しつつも適度な硬さがあるハード仕様のポケットコイルマットレスが望ましいケースもあるので販売店等でご相談されるのがいいでしょう。

※これらはあくまで目安です。被介護者の好みも大切ですが、適正さに応じて選択することが優先されます。

ポケットコイルのデメリット

低反発マットレスの危険性!合わない人には「腰痛」を悪化しかねない – 通販ベッド情報発信サイト
「ポケットコイル」これから主流のマットレス!でも安物には落し穴 – 通販ベッド情報発信サイト

 

ベッドの乗り降りに介助が必要な人の介護

室内で寝たり起きたりといった人や、車椅子に移乗するのに介助が必要な人を介護する場合は、マットレスのへたりにも注意を払う必要があります。

ベッドから降りるときにマットレスの端に腰掛けることが多くなるため、縁がヘタって座りそこねたり、ずり落ちたりと思わぬ事故につながってしまうからです。

転倒などが危惧される場合には、なるべく一箇所がヘタらないような工夫として、マットレスの左右や上下(表・裏)を定期的に入れ替えてあげるという方法がありますが、その場合は全体的に均一な素材を用いたマットレスを選択する必要があります。

また端座位が安定するマットレスがあれば理想的ともいえます。

入院イラスト

突発的な病気や事故で寝たきりになり、リハビリ中の人などは裏表で硬さの違うマットレスを選べば、体圧分散性に富んだ面で体力の回復を促し、回復とともに耐久性のある裏面に切り替えてるといったことも可能です。

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一日中ベッドで過ごす人 ほとんど体が動かせない場合

要介護度が高い場合は、「床ずれ防止」を念頭に熟考する必要があります。

低反発ウレタンや、ジェル(ゲル)マット、ウォーターマットなど色々販売されていますが、いずれも柔らかく沈み込んで、体の一点に負荷がかからないようにして床ずれを防止する目的で作られています。

一方で寝返りが打ちにくく立ち上がりにくいという特徴があるため、人によってはかえって床ずれがひどくなるというケースもあります。

いくら体圧分散性に優れているとはいえ、健康を阻害してしまっては元も子もありませんから、身体に合わないと判断したものは即使用を中止して、別のものと交換しましょう。

介護イラスト

介護保険を利用すればレンタルマットレスを借りることも可能です。(要介護2以上)上手に活用することをおススメします。※次の項で詳しく説明しています。

体を拭いたりおむつを交換したりするときに、ベッドやマットレスの幅が広いと介護者の負担が大きくなります。自身で寝返りが打てない寝たきりの方を介護する場合は、ベッドやマットレス幅の極端に広いものは避けましょう。

マットレスを借りる 介護保険(福祉用具)レンタル

要介護度2~5であれば、介護ベッド(電動ベッド)と同じく、マットレスも介護保険適用のレンタルが可能です。

所得に応じてではありますが、通常のレンタル費用の1割~3割の負担で借りることができ、例えば月額5000円のレンタル品なら、月額500円~1500円程度でレンタルできます(支給限度額内)。

軽介護度でもレンタルできる例外
軽度者であっても医師の意見書があり、市区町村が必要と認めた場合には利用対象に該当すると判断されるケースもあります(例外給付)。詳しくは地域包括支援センターまたはケアマネージャーにご相談ください。

高齢者の状態に適した介護マットレスは、介護度や被介護者の状態、体格などによって変わってきます。レンタルならばその時々の状態に合わせたマットレス選びができるので、高齢者にとっても介護者にとっても大変有益な制度です。

一般社団法人全国福祉用具専門員協会

まとめ

一口に介護用マットレスといっても、どのような生活をしているかは一人一人で異なります。

今どんな介護が必要なのかをしっかり把握し、この先予想される状態や、介護者の負担軽減なども考慮しながら、介護する方される方どちらも快適に過ごせるマットレス選びを目指しましょう。

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