心地よく眠れるベッドルームをつくる為には、心地よい照明計画がとても大切。
でも「良くわからないから、ホームセンターで安いシーリングライトを買って使ってます」という方、結構多いです。
確かに、リモコンで寝ながら操作出来て、調光や昼光色(白色の光)~電球色(オレンジ色の光)まで光の色を切り替えることも出来て便利かもしれません。
便利ですが、なんだかインテリアとして味気ないと思いませんか?
実用性とおしゃれさ、リラックス出来る灯りを目指して、照明の位置や照明器具選びを考えるヒントを紹介いたします。
眠りにつきやすいベッドルーム 照明計画のポイント
ではどういう風に考えればいいか、4つのポイントをお話しましょう。
1.シーンに応じて、明るさと暗さを調整出来るようにする
2.寝ている姿勢で、まぶしい光が入らないようにする
3.オレンジの光でリラックス
4.深夜利用に注意する
1つ1つ詳しく説明していきます。
1.シーンに応じて、明るさと暗さを調整出来るようにする
ベッドルームは、眠ること・身支度以外にも人によって様々なことを行う部屋になります。
例えば、寝る前にTVを観たり、仕事や勉強をしたりする場合は部屋全体にもある程度の明るさが必要です。くつろいで眠るだけなら、明るさを抑えてムードのある感じの方が落ち着きますよね。
海外では、壁にはブラケットライト、床にはフロアスタンド、サイドテーブルにはスタンドなど、1部屋にいくつかの照明が置かれている多灯照明のスタイルです。
一番明るくしたい時は全部点けます。全部点けても、真ん中から隅々まで照らしているわけではないので、部屋の角の方は暗さが残ります。でも、暗いところがあるから明るいところが際立って、部屋に奥行きが生まれます。
収納から物を取る時はフロアスタンド、読書をする時はベッド横のナイトテーブルの上に置いたスタンドだけ点けるなど、部分的に点けることが出来ます。
日本では、部屋の真ん中に全体照明が1灯のみのスタイルがまだまだ主流。暗いと心配になる方が多いので、明る過ぎる照明器具を選んでしまって、くつろげないベッドルームになってしまうこともあります。
新築やリフォーム中の方は、照明メーカーの調光機能付きの照明器具を選ぶことが出来ますが、壁スイッチの他に調光器の設置も必要なので電気配線の打合せが必要になります。
電気配線を変えられない環境でも、明るさを調整出来る照明器具は、例えば4灯付きのスポットライトタイプなどで「全灯→3灯→2灯→1灯→消灯」などリモコンで点灯する台数を変えられるものもあります。でも、なかなかこういうタイプの照明器具は種類が少ないかもしれません。
一番取り入れやすいのは、明るさが調整出来ない全体照明でも、スタンドライトやフロアライトを買い足すことです。これなら、明るさが必要な時は全体照明を点けて、寝る時はスタンドやフロアライトだけ点けてほの暗くすることが出来ますよ。
2.寝ている姿勢で、まぶしい光が入らないようにする
光の位置としては、枕元に明るさを確保しながら、寝た時に直接目に電球の光が入らないような全体照明が必要です。
枕元の照明の例としては、電気配線が変えられる場合は壁にブラケットライト、天井にダウンライトなど。電気配線の変更が出来ない場合は、スタンドライト・フロアライトがおすすめ。
全体照明の位置としては、出来ればベッドに横になった目線の上に照明が来るのではなく、足元の方に配置するのが望ましいです。
部屋の真ん中に配線があり、どうしても全体照明が顔の上になってしまう場合、シェードの下が開いて電球が見えるペンダントライト、シーリングライトは避けて下さい。目に直接光が入り、まぶしくなってしまいます。シェードに覆われて電球が外から見えないタイプにしましょう。全体に光が拡散されるタイプか、天井に上向きに光が出るタイプなら柔らかい光になります。
シャンデリアは、明るくなり過ぎず柔らかい光でいいのですが、ひもやチェーンで吊り下げ式の場合顔の上に来ると圧迫感があります。地震の時、揺れて落ちたり電球が割れる可能性もあるので注意が必要です。使うなら足元の方に配置しましょう。
シェードに覆われたタイプや布のシェードは、優しい光がこぼれます。向きを変えられる、スポットライトやアームの長いスタンドライトは、天井や壁に向けて光を拡散させると良いです。
スタンドライトやフロアスタンドの場合は、コンセントの位置によってコードが見えたり、延長コードが必要になったりします。置き場所に注意しましょう。スタンドライトの場合、コードが見えるのが気になる場合はコンセント式ではなく、乾電池式や充電式のものを選ぶという手もあります。乾電池式のランタンを使うのもおしゃれです。
読書をするには暗いですが、豆電球で寝る方や
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3.オレンジの光でリラックス
どんな環境でもすぐに眠れる場合は良いのですが、眠りが浅い、なかなか寝付けないという不眠の悩みを抱えている人も居ます。熟睡出来るベッドルームの灯りとしては、低照度・低色温度の光にすることがポイントです。
ホームセンターや家電量販店で売っている電球は、光の色が3つに分かれています。(メーカーによって若干呼び方を変えてますが、考え方は同じです)
・昼光色(青みがかった白い光)
6500K(ケルビン)と高色温度で、太陽光線よりも数値が高くなります。
同じワット数でも、昼光色が1番明るくまぶしく感じます。
勉強や仕事をする部屋に向いている光の色です。
・昼白色(自然な光をイメージした白い光)
5000Kで太陽光線よりも色温度が低く、穏やかな白い光になります。
白色でも、昼光色のように青白い色ではなく黄みがかった白い光なので、明るさと温かみを兼ね備えています。オレンジの光より白っぽい光の方が好きな方は、ダイニングなどにおすすめです。
・電球色(温かみのあるオレンジ色の光)
3000Kの低色温度で、ろうそくの炎のようなリラックス感のある光です。
同じワット数でも、電球色が1番暗く感じます。
落ち着いてくつろぎたい、リビングやベッドルームに向いています。
ベッドルームとしておすすめなのは、低照度・低色温度であるオレンジの光(電球色)です。
メラトニンが分泌され、眠りにつきやすくなりますよ。
4.深夜利用に注意する
1人暮らしや、自分の部屋の場合は問題ないのですが、家族と一緒のベッドルームでは相手に配慮することが必要です。自分が照明を点けることで、寝ている配偶者や子供が起きてしまうのは良くありません。
家族の眠りを妨げない為にも、全体照明を真ん中に1つではなく、スタンドライトなど部分的に点けられる照明も追加するのが良いでしょう。
深夜に帰宅して、部屋の中にあるクローゼットや収納で衣類の出し入れをする場合も、全体照明を点けなくても良いようにフロアスタンドなどを置きましょう。(壁紙の張替えの際などに、クローゼット付近にダウンライトやスポットライトを設置してもらうのもひとつの方法です)
まとめ
心地よい眠りにつくには、リラックス出来る空間をつくること。くつろげる空間づくりの中で、照明は大事な要素の1つ。「なんだかくつろげないです」とお悩みの方のベッドルームを拝見すると、青白い光の明るすぎる照明を使っておられるケースがありました。
どれ位の明るさがいいというのは、部屋の広さや環境、壁や天井の色・素材によっても異なる為、一概に何ワットが良いということで計れません。明るくないとダメとか、暗めが好きなど明るさの好みも個人差があります。
まずは各種ライトをセレクトし、実際に使ってみるのをお勧めします。上記4つのポイントをふまえ、電球色やワット数(許容範囲内)を自分なりに工夫して心地よい眠りにつけるベッドルームをつくりましょう。
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