布団に入りいざ眠ろうとした時になると何故か頭が痛み出す。そんな人は脳の血管が原因の可能性があります。脳の血管と聞いてもピンとこないこないかもしれませんが、脳は人間の身体の中でも一番大事なところで多くの血管が走ってます。
血管が運んだ酸素を元に脳が働き、脳からの指令で身体は動いているので、脳はそれだけ多くの血液・血管を必要としているのです。その事が逆に辛い痛みを引き起こす原因にもなっています。
頭痛が発生するメカニズム
布団に入った時などに急に痛みが出る場合、身体を循環している血液が、体を横にしたことで頭の方に流れ込み、脳の周りを巡っている血管の血液量が増加します。血液量が増加することで血管は広がります。
脳の近くは神経も張り巡らされているので、血管が広がることでその神経に触れることで痛みを発します。頭痛はとても辛いものです。だからといって安易に薬を飲むというのは適切な対処方法とはいえません。
根本となる原因を突き止めるために以下の方法を実践して下さい。
まず試してもらいたい簡単な対処方法 対策その1
頭を冷やす事で頭痛が治まる事があります。なぜか布団に入ったら痛み出すという人は以下の方法をお試し下さい。
氷枕を頭に敷いて約20分横になります。氷枕は直接肌に当たらないようにタオルを巻いて過度に冷やさないようにご注意下さい。
血管が広がった事で出る痛みは、冷やす事により血管が狭まるので痛みを抑えられます。これは質のいい眠りを得る方法でもあります。昔からよくいう「頭寒足熱」はとても理にかなった諺です。全身の循環が良くなるためにぐっすり眠れたという患者さまも大変多いです。
氷枕がない場合は冷たいタオルで顔や頭を冷やすだけでも効果があるときがあります。ぜひお試し下さい。
またお風呂が好きでもあまりの長風呂はおススメできません。血管を拡張してしまうので、脳の血液循環に異常をきたし、「のぼせ」や「ほてり」を引き起こす場合があります。
「のぼせ」についての参考文献
https://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=nobose
※注意:冷やす際は首を冷やさないように気をつけてください。
首が冷えると大きな血管を流れる血液が冷え全身が冷えます。
体温を上げようとして急に血圧が上がりるので要注意です。
その他の原因や対処方法
目や首肩の酷使による頭痛
目や首肩を酷使しすぎると周辺を走る血管を圧迫します。目や首肩周りの筋肉は固くなりすぎると脳に向かう血管を圧迫します。そのため脳に向かう酸素量が不足し、脳が軽い酸欠を起こして正常に働かず頭痛が発生するのです。
また、身体は酸素不足の箇所には新鮮な酸素を送ろうとするので疲労がたまると必然的に血圧が上がってしまいます。血圧が上がる事で血管が広がり神経に触る頭痛が発生します。
対策その2:寝る前などに首肩のストレッチを実践!
ストレッチを行う事で首肩の疲労回復に繋がり、首肩から来る頭痛緩和になります。ストレッチと言っても軽く頭を回したり後ろに反らしたり、肩を軽く回すだけでも十分です。むしろやりすぎると筋を痛めたり、身体が温まりすぎて興奮状態になると逆に眠れなくなりますのでほどほどにしましょう。
血圧が低いからといって安心はできない!
血圧が高い人は血管に圧がかかり易いため、血管が押し広げられ頭痛の発生率が高くなります。しかし、血圧が低いからと言って安心は出来ません。
血圧が低い人は血液の流れがゆっくりなので、脳に行く血液量も少なくなりがちです。脳への血液量が減ることは酸素量が減ることです。脳に行く酸素量が減ると、酸欠状態となり、頭痛が発生するというメカニズムです。
対策その3:食事は薄味。1駅歩こう!
血圧を下げる方法は限られています。基本は食事の見直しを!基本薄味を心がけて、唐辛子や胡椒などの多用を避けましょう。
歩くなどの運動を行うことで、血流が良くなり血圧が下がりやすくなると言われています。途中下車して1駅分歩くなど工夫しましょう。
※診察してもらうときは内科のほか、循環器科も受診することをおススメします。
食事により引き起こされる頭痛・痛みを抑える食材
頭痛に関わる食材もありますので注意しましょう。健康に良いとされているポリフェノールは血管を拡張させる働きがあります。
血流を良くするので健康的と思われがちですが、血管拡張による頭痛持ちの人には逆効果です。ポリフェノールはお茶やチョコレート等に多く含まれています。高濃度であればあるほど血管拡張作用が高いので、チョコレートならばハイカカオ、ワインなら赤ワインは頭痛が起こりやすくなります。心当たりのある人は摂取量を減らしましょう。
対策その4:
赤ワインは白ワインに。
チョコはミルクに切り替えましょう。
お酒は適量を厳守!
頭痛を増長させる食材があるように、痛みを抑える食材もあります。マグネシウムが豊富なオクラや大豆・大豆製品、魚や海藻類を摂取する事で神経物質セロトニンの生成が促されます。
セロトニンの生成が促される事で血管の過度の拡張が抑えられ、頭痛の程度が抑えられます。また極度の緊張とリラックスが交互に起こる環境ならば、緊張した時はリラックス出来るようにハーブティーやコーヒー等を摂取し自分でコントロールするよう心掛けましょう。
ちょっとしたことで頭痛を緩和させたり、抑える手助けになることもあるのです。
まとめ
・「頭寒足熱」を実践するだけで治る頭痛もある
・痛み止めに頼らず、根本となる原因を突き止める
・目や首肩を酷使したライフスタイルを見直そう
・マグネシウムが豊富な食事を摂取する
・赤ワインにハイカカオチョコの晩酌は要注意
・ハーブティーなどでリフレッシュする時間を設ける
※頭痛の原因に脳血管障害等様々な原因がありますので、
色々と試しても痛みが引かない場合には専門機関を受診しましょう。
written by Dr.K
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