羽毛布団も羽根布団も、ダウンとフェザーを混合した中わたを使用してます。
ダウンの比率が50%以上のものを羽毛布団。フェザーが50%未満のものを羽根布団と呼んでいます。
一般に、ダウンはフェザーに比べて一羽の鳥から取れる量が少なく、また需要も高いので、価格も高いです。
羽毛布団(うもう)と羽根布団のちがい
・羽毛布団
ダウンはとても軽く、空気をたくさん含むことができるのですが、
水鳥一羽からごくわずかしか採れないため非常に高価なのが特徴です。
一般に大きいダウンの方がたくさん空気を含むことができるので、保温性も高くなります。
・羽根布団
フェザーはダウンと比べると、やや保温性に劣りますが、
弾力性・通気性に優れるという特長を持っています。
フェザーにはスモールフェザーとラージフェザーがあり、スモールフェザーの方が
羽根の軸が短くて弾力性に富むため、布団には向いています。
「ダウン」にもいろんな種類があります
羽毛布団・羽根布団に使用される羽毛・羽根は、ダック(アヒル)、またはグース(ガチョウ)からとります。
ダックとグースは良く似ていますが、ダックはマガモを家畜化したもので、グースはガンを家畜化したものです。
一般に、グースの方が体が大きいため、良質なダウンがとれるといわれています。
・ダックダウン
グースダウンと比べると、ダウンの1つひとつが小さく、
保温性・耐久性はグースダウンほど高くありませんが、安価で手ごろなのが特徴です。
・グースダウン
ダックダウンと比べるとダウンが大きく、保温性・耐久性などあらゆる面で
優れていますが、近年価格が高騰してきています。
・マザーグースダウン
卵を産むことを目的に長期間(約4年間)大切に飼育されるマザーグースから採取するダウンです。
マザーグースは普通のグースと比べると体が大きく、その分羽枝も長く、
ボリュームのある羽毛を採取することができます。
ふとんに加工した場合、空気を多く含むため少量でもあたたかく、羽枝が長いので羽毛の
磨耗が少なく長持ちするといった特長があります。
マザーグースダウンは、高級羽毛布団に使用されます。
・ハンドピックダウン
通常のグース(食用)からダウンを採取する場合、機械を使用しますが、
マザーグースは産むことを目的に飼育されているため、屠殺はせず、人の手で摘み取られます。
それがハンドピッキングの名の由来です。
十分に成熟して簡単に抜ける羽毛のみを採取するため、マシーンピックの羽毛と比べてみると
傷みが少なく、より高い品質のものが採取できます。
羽毛の産地
寒暖差の激しい地域で採れる羽毛は高品質と言われています。
気候が厳しい環境で育つ水鳥は、生き抜くために保温性に優れた羽毛をまとっているからです。
特に有名な羽毛の産地としては、以下の国が上げられます。
・ハンガリー
ハンガリーにはダウンボールの大きな良質の羽毛を持つ水鳥が育つ環境にあります。
ハンガリー産のダウンボールは耐久性・弾力性に優れ、保温性、風合いも『最高』と言われています。
羽毛の生産量は、ヨーロッパの中でも一番です。
・ポーランド
極寒の地、ポーランドもハンガリーと並んで良質の羽毛の生産地です。
そのダウンボールは、耐久性・弾力性に優れ、保温性・風合いもハンガリー産に引けを取らない品質だと言われています。
・カナダ
カナダも良質の羽毛を生産しています。
冬季は極寒になり、その厳しい環境の中で育つ水鳥の羽毛は、保温性に優れています。
ヨーロッパと並んで有名な羽毛の産地です。
・ウクライナ
寒さの厳しいウクライナも有名な羽毛の産地です。
冬になるとマイナス20度にも達する環境から、
保温性に飛んだ良質の羽毛が生産されています。
・フランス
フランスのピレネー地方は、スペインとの国境の山岳地帯に位置していて、
夏でも気温が低く、年間の温度差が大きいのが特徴です。
この厳しい自然環境で育った水鳥の羽根には、優れた保温性が備わっています。
アイスランド産は別格!「アイダーダック」
アイスランド
ダックとグースならいいダウンボールがとれることで、グースをおすすめするお店が多いです。ダックはアヒルですから、体が小さく、ダウンボールが小さく、ボリューム(かさ高)を持たせようとすると重くなってしまう欠点があります。グースの羽毛布団に比べると「安い」です。
ただ例外があって、アイスランドの北西部に生息する「アイダーダック」はダウンボールが絡み合う性質があるダウンで、高い保温性もあります。値段は安い種類のグースに比べ物にならないほど高価です。希少性もあって世界最高水準のダウンといわれています。
「羽毛布団・グースとダックの違い」 こちら
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